トラピストビールとは何なのか
トラピストビールという名前のビールを聞いたことがあるでしょうか?
上の写真はシメイという有名なトラピストビールです。
今回は私の勉強も兼ねて、このトラピストビールについて解説したいと思います。
トラピストビールとは
トラピストビールは、トラピスト会修道院で作られる上面発酵ビール*1のことです。世界各地にあるトラピスト会修道院のうち、現在は10箇所のみで生産されています。 これらの醸造所では、トラピスト会修道士の協会によって定められた規則を遵守することで、トラピストビールのロゴが入ったラベルと名称の使用が認められています。
なぜ修道院がビールを?
日本だとビール=酔っぱらい、のようなイメージがあり、修道院がビールを造るということに違和感を覚える方も多いと思います。しかし、煮沸・発酵させて保存の効くビールは、中世に蔓延したおそろしい伝染病を媒介しない「命の水」として尊ばれ、地域社会にも提供されていたそうです。
また、巡礼や旅の途中で修道院を訪れた人々にも、自給自足のために造られたビールやパン、チーズなどが施されていました。旅人の多い道筋にある修道院では、多くの旅人をもてなすうちに、そのビールの旨さが人の口を伝って広く知られるようになっていったそうです。
トラピストビールの条件
ちなみに、ベルギーには「セント○○」といったいかにもトラピストビールっぽいビールがたくさんありますが、上記の条件を満たさないビールは「アビイビール(修道院ビール)」と呼ばれます。
醸造所(2014年4月現在)
ブランド | 製造修道院 | 所在地 |
---|---|---|
シメイ | スクールモン修道院 | ベルギー |
オルヴァル | オルヴァル修道院 | ベルギー |
ウェストマール | (聖心ノートルダム修道院) | ベルギー |
アヘル | アヘル修道院) | ベルギー |
ロシュフォール | サン・レミ修道院 | ベルギー |
ウェストフレテレン | シント・スクスティス修道院 | ベルギー |
ラ・トラップ | コニングスホーヴェン修道院 | オランダ |
グレゴリアス | スティフト・ エンゲルスツェル修道院 | オーストリア |
スペンサー | セントジョセフ修道院 | アメリカ |
モンデカ | モンデカ修道院(現在はスクルーモン修道院が醸造) | フランス |
🍺
以上、トラピストビールについて簡単にまとめてみました。
お店で見つけたらぜひお試しください😄
*1:詳しくは http://koogawa.hatenablog.com/entry/2015/09/22/001312 で解説しています